奈良県コンクリート診断士会の紹介
わが国では、戦後から高度経済成長期にかけて、人々の豊かな生活の実現や国土の発展のために、数多くのコンクリート構造物が構築されました。その結果、コンクリート構造物のストック量は、現在、100億m3を超えています。
これらのコンクリート構造物のなかには、使用条件や厳しい自然環境作用の影響を受け、歳月の経過につれて変状が顕在化し補修や補強が必要となっているものがありますが、点検や補修補強が適切に実施されていないものが数多くあるといわれており、コンクリート構造物の長寿命化を進める上での大きな課題となっています。
たとえば、全国に橋長2m以上の橋りょうは約70万橋あるとされていますが、奈良県では平成26年度から、そのうちの約10,500橋を対象に市町村と一体となって統一の点検要領に基づく点検を開始されたところです。
このような状況のなか、公益社団法人日本コンクリート工学会では、2001年にコンクリート診断士制度を創設し、診断、補修・補強にかかわる専門技術者である「コンクリート診断士」を社会に送り出しています。その登録者数は,2015年4月1日時点で11,105名となっています。
この度、奈良県下で活動しているかまたは居住しているコンクリート診断士が中心となって、奈良県コンクリート診断士会を設立しました。
奈良県コンクリート診断士会が目指すのは、社会の発展や安全安心の街づくりに貢献することです。コンクリート診断士や診断士を目指す技術者等が結束して、会員相互の技術交流および情報交換を通じてコンクリート診断士の専門技術を向上させ、コンクリート構造物の維持管理に関する技術情報の発信を行っていきます。
また、奈良県および県内市町村と積極的に連携して、コンクリート構造物の維持管理や長寿命化に貢献していきたいと考えています。
奈良県コンクリート診断士会へのご指導・ご支援をお願いするとともに、コンクリートを愛する意欲ある方々のご参加をお待ちしています。
平成27年6月